就労ビザから経営管理ビザへ変更するには

§会社員として働く外国人(就労ビザ)が起業して経営管理ビザへ

日本で会社員として働く外国人(就労ビザ)が起業して就労ビザから経営管理ビザへ変更するには、基本的に実際にビジネスができる状態にしてから申請をしなければなりません。

つまり、オフィスや店舗を借りて、内装(営業を開始できる状態)をきちんとしておかなければなりません。

注意! 就労ビザのまま会社経営することはできません!

会社を設立した後は速やかに経営管理ビザへの変更申請をする必要があります。

「技術・人文知識・国際業務」や「技能」などの就労ビザは、会社に雇われて働くためのビザです。会社を経営することはできません。「技術・人文知識・国際業務」はフリーランス(個人事業主)でも要件が揃えば許可される場合もありますが、会社経営者には「技術・人文知識・国際業務」は許可されません。また、「技術・人文知識・国際業務」をもって働いている外国人に対して、会社を経営する目的での資格外活動許可は許可されません。

日本で会社を経営するためには「経営管理ビザ」を取得する必要があり、「経営管理」ビザを取得せずに会社を経営することは不法就労になり摘発される原因となります。

就労ビザの外国人の中には、会社を辞めた後にまだ在留期間が1年や2年残っているからといって「技術・人文知識・国際業務」のまま、会社経営をスタートする方がまれにいらっしゃいますが、会社を設立して「技術・人文知識・国際業務」のまま経営し、1年・2年後に経営管理ビザへの変更申請をしたとしても許可を得ることは困難です。これまでの違法状態を原因として不許可にされたり、現在の就労資格を取り消しされることも考えられますので十分ご注意ください。

※資本金の出所の証明ができているかどうか

  • 誰がどのようにしてためたお金なのか
  • 働いて貯めた場合、税金をきちんと納めているかどうか

※事業規模に見合った事務所及び店舗の確保

事業を営むための必要な設備が整えられているかどうかも重要なポイントです。

電話やファックス、パソコンなどの最低限の機器が備わっている必要があります。

また、看板を掲げていること、店舗の名義や使用権があるかどうかについても必要となります。

※会社設立

もちろん個人事業でも構いませんが、個人事業の場合、実際に500万円以上を経費として使用するか、日本人又は永住者の正社員を二人以上雇用しなければなりません。

会社設立後は税務署への各種届出、社会保険加入などもしっかりとしておきましょう。

※仕入れや販売の取引先の確保、集客方法やメニューの決定など。

  • どのような商品を提供するのか。
  • ターゲットは(家族層?ビジネス層?)どのような人たちなのか。
  • なぜその場所(駅近く?ビジネス街?住宅街?)で開業しようと思ったのか。
  • 経費がどれくらいかかり、どれくらいの売上、利益が上がる見込みがあるのか。

※実務経験があるかどうか

  • なぜ日本で起業することとなったのか。
  • なぜ日本でその事業を行うこととなったのか。

長年勤めてきた会社で貿易に携わっており、独立するような場合は説明がつきますね。

また、経験がない場合であっても、大学等で経営学や経済学を学び卒業されたような場合もプラスとなりますね。

全く経験がなく知識もない場合、余程の仕入れ先と販売先が確保されていなければ、経営の安定性・継続性に問題があると判断されてしまうでしょう。

※日本語能力

日本でビジネスをするわけですから、仕入れや販売するにあたり日本語でのやり取りは必須となってくるでしょうね。

申請者本人が日本語ができない場合、日本語のできる方を雇用することでカバーすることもできます。

また、申請者が日本語ができない場合であっても、仕入れ及び販売先が自身の母国語や英語によって取引ができるような場合は問題ありませんね。

※営業許可の取得

ビジネスの種類に制限はありません。

しかし、営業許認可が必要なビジネスの場合は、営業許可も取得しておかなければなりません。

例えば中古品の売買や飲食店、美容室、不動産業、建設業などです。

経営管理ビザ取得後でなければどうしても営業許可が取得できない場合、申請先の役所や出入国在留管理局(入国管理局)と相談の上、経営管理ビザ取得後に速やかに取得することを説明書きして進めていくこともできます。

経営管理ビザの申請は難度が高く、高度な専門知識が必要とされますのでご本人で判断し、申請するのは避けた方が無難です。多くの方は勤務先の会社を辞めてから会社設立手続とビジネスの準備を始める方が多いです。会社を辞めると就労ビザとしての活動を行っていない期間となりますので、速やかに在留資格変更許可申請を行う必要がありますので注意しましょう。

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Motoki Wada | 行政書士 em plus 法務事務所 代表

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